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『付け足し市内局番』
それは市内局番が一桁増えた際、増えた数字(大阪は6)を後から付け足し、なんとか乗り切ってきた看板等の電話番号のことで、こんな感じのものです。
前回の記事から約半年、大阪の街をうろうろしまくり、前の倍ほどが集まったので再びまとめてみました。
そして今回はごまかし方を「じょうず」「おしい」「へたっぴ」の3段階に分けてみました。
「じょうず」から段々と「へたっぴ」になっていく様子をご堪能ください。
じょうず
この看板は全ての文字が手書きなので、一見するとそこまで6に違和感はありません。
ですがこの大倉モータープール、前回も別の看板で取り上げていて、こちらも『付け足し』の可能性がかなり高いと見ました。
僕のような特殊な人に見つからない限りバレることがない、完璧に近い『付け足し市内局番』だと思います。
無駄な経験と知識が無駄に役立ちました。
バレないように『付け足し』をする場合、文字の色・大きさ・字体が似ていると見つけにくいのですが、これはかなり偽装度が高いです。
色もブレが少ない黒ですし、6の大きさも字体も非常に似ています。
TELとの間がここだけ狭くなっているのが唯一の欠点ではありますが、通常の人間にはまず気付かれないので大丈夫です。
おしい
こちらは逆に、色と字体で損をしているパターンですね。
色を付けるとこのように微妙な差が生まれてしまうので、黒か白が無難です。
ただ、字の配置箇所にはとても恵まれているので、案外気づかれないかも。
どう見ても6がねじ込まれています。
妙に長細いですし、ハイフンにも触れちゃってるのがおしいです。
ですが色が白で揃っているので、他に比べると目立たない方かなと思います。
これも思いっきりねじ込んでます。
字体は近いですが、よく見ると元々あった括弧を消して6を追加し、空いた反対側にハイフンを足したようで、その2つだけ赤が明るくなっています。
その課程が丸見えなのが微笑ましいですね。
ここは珍しいタイプで、6だけ異様に劣化しています。
字体は一緒みたいなので、偶然にこの6だけボロボロになった可能性も捨てきれないですが、非常に怪しいです。
へたっぴ
『付け足し』では珍しい、∨で書き足すタイプ。
日常生活ではよくやってしまいがちですが、看板をこれで済ましてしまうのが逆に潔いというか、何とも大阪らしいですね。
実はただの落書きだった、とかではないことを祈ります。
明らかに薄い!
家からマジックを持ってきて書き足した光景が目に浮かぶようです。
マジックの種類とか看板の材質とかが違うと、もう少し変わったかもしれませんね。
これはもう少し上手くやれたのでは、と思う『付け足し』です。
他の数字も手書きっぽいので紛れさせやすいものの、市外局番と市内局番の大きさが違いすぎるのと、赤が明るすぎてモロバレに。
おまけに6が括弧に被っていることもあり、新たに括弧が書かれてはいますが、元の括弧が丸見えで二重に見えちゃってます。
これはもう、物理的にスペースが足りなかったパターン。
もはやTELの6乗(100万TEL)と化しています。メガTELですね。
ごまかす余地がないので、逆にこれが正解な気もします。
これは思い切って電話マークを塗りつぶし、6を上書きしたパターン。
しかし下地の塗料が劣化した結果、6はボロボロになり、下の電話マークすら露呈するという状況に。
市内局番が増えたのが約20年前というのを思い知らされますね。
これが今回一番驚いた6!
見つけた時は目を疑いました。
『付け足し』のどこが悪いのか、と言わんばかりの堂々さ。
強引かつ大胆な電話マークの処理方法。
テクニックに頼らない清々しさは唯一無二だと思います。
――今回集めた『付け足し市内局番』は以上となります。
皆様も街を歩かれる際、ちょっとだけ気にされてみてはいかがでしょうか。
(終)
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