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回転寿司が好きだ。
記事も書いた。
街で「寿司」の文字を見たら問答無用で入ることにしているので、朝食にトーストを食べるくらいの気軽さで日々寿司と向き合っている。
とりわけ入店しやすい回転寿司によく行くわけだが、最近ある疑問を抱くようになった。
「回転寿司って回っているの寿司じゃなくて皿じゃない?」
我ら人類の叡智であるWikipediaにもこうある。
回転寿司(かいてんずし)とは、寿司を載せた小皿を客の眼の前(あるいは客の脇)を回るベルト(レーン)に載せ(循環させ)、客が好みの寿司を自由に選択する方式の寿司店。
ぜひ何度も読み返してほしい。
「寿司を載せた小皿を客の眼の前を“回るベルト“に載せ」
ほら、回ってるの寿司じゃない。
回っているのはベルトコンベアーとそれに乗っている皿だ!
全国の回転寿司屋さん、あなたたち看板に偽りアリですよ!!!
じゃあ僕が寿司を回します
ここからが記事の本題、実際に寿司を回したらどうなるのか。
お見せしましょう。こうです。
面白すぎる。
そもそも寿司って見た目が面白いのかもしれない。
白米の上に刺身が載っているコンパクトな見た目。
おかずとご飯を一口で食べられる合理性を持ちながら、高級感を出そうと背伸びしている気がする。
元は利便さの食べ物なのに、伝統を背負っている姿が滑稽でいとおしく思えてきた。
そんな寿司が猛烈なスピードで回っているなんて、そりゃもう面白さの二乗だ。
なるほど、寿司そのものが回ると面白すぎるから回転寿司では皿(もしくはベルトコンベア)を回しているのかもしれない。
寿司の回し方、教えます
この寿司回転マシーンは、100円ショップに売っていた手持ち扇風機(手動)の羽部分を取り外し、
そこに食品サンプルの寿司をぶっ刺しただけである。
ちなみにこちらは電動化に成功した様子。
こうして本当の回転寿司を再現することは成功したが、実は寿司以外にも世の中には「回転〇〇」というものが沢山ある。
当たり前に浸透していた回転寿司でさえ、その実態は”回転皿”だったのだから、もしかすると他の回転〇〇にも何か裏があるかもしれない。
普段は寿司のことしか考えていない僕だが、ここは乗りかかった船である。他の回転〇〇も見てみよう。
回転木馬ってさ……
寿司に続き検証するのは遊園地の定番、メリーゴーランドこと回転木馬である。
音楽が流れると、支柱を中心に床が動き出し、それに繋がる馬や馬車たちが上下に揺れながら旋回していくアトラクションだ。
……ん?支柱が中心に動いている……?
いや、ちょっと冷静になって回転木馬の定義を調べてみよう。
遊園地の遊戯乗り物の一つ。垂直軸の周囲に木馬を連結し、その軸を回転させるとともに木馬を上下させるもの。メリーゴーラウンド。(コトバンクより)
やっぱり……!回転しているのは木馬ではなく、軸。
これは回転木馬ではない。回転台座だ。
残念ながらこの回転も偽り……こうなればやることは一つしかない。
くらえ!!
とりゃーー!!!
やってみて気づいたが、メリーゴーランドの前で本当に木馬を回転させてみると「自分のほうが1枚上手だ」という謎の優越感を感じて愉快な気持ちになる。
引きで見ても、なにが優越しているのかまったくわからないが、気持ちはメリーゴーランドに乗ってる時よりも楽しい。
ちなみにこの木馬は、家にあった変な模型を先ほどの装置にぶっ刺しただけの簡単設計である。
回る扉はどうだ?
続いてはこちら、日常の中で遭遇するとなぜかテンションが上がる回転扉。
歩行を止めることなく建物の中に入ることができる快適さと、スタイリッシュな見た目に未来っぽさを感じる。
これはどうだろう、正しく扉そのものが回転しているだろうか。
うーん……
いいでしょう!!!
これはまごうことなく「回転”扉”」だ。
コトバンクにも、
回転軸が扉の中央にある扉の総称。回転ドアともいう。
とある。
回転軸が扉そのものについているのであれば、それは確実に回転扉だ(当たり前か?)。
あと調べてみた際に回転扉の解説が妙に長いのが面白かった。
絶対に論破されたくないという強い意志を感じる。
回転遊具の無念
最後に近所の公園にあった回転遊具へ。
この地球儀みたいな遊具に子どもがつかまり、保護者や友達がそれを回すという構図が目に浮かぶ。
さて、この回転遊具は本当に遊具が回転しているのだろうか。
ん?
明らかに固定されているぞ……?
回転どころか、動くことすらできない。これではただのジャングルジムだ。
(事前調査ではこの遊具は回転遊具として紹介されていたはずなのだが……)
調べてみると2000年頃、ある公園で遊具の事故が起きたことが話題となり、それまでも議論がされていたいわゆる「動く遊具」の安全性が疑問視され、撤去や固定化の流れが加速したようだ。
そもそも事故が起きる原因の一つに設備の老朽化や点検不備などが挙げられていたが、回転の勢いによって加速することで、起きる怪我や遊具の隙間に手を挟める危険性があることも要因となっていたらしい。
そう、回転は危険なのだ。
いまとなっては回転させてすらもらえないこの遊具をみていると、なぜだかこちらが悲しくなってくる。
「本当は俺、もっと回りたいんだよ!」
そんな切なる叫びが聞こえてきそうだった。
僕だってこいつを回転させてやりたいが、行政の判断には従わざるを得ないのだ。
ぎゅっと抱きしめてその場を後にした。
回転は奥が深い
最初はただ回転寿司をいじわるく解釈して揚げ足を取るだけの企画だったのだが、回転遊具を取り巻く環境を知ることで、ちょっと勉強になってしまった。悔しい。
回転は面白いだけではなく、ある時は回転扉のように実用的で、ある時は回転遊具のように危険なのだ。
その奥深さをよく味わえる機会だったなと思う。
とはいえ、基本スタンスとして回転は面白いというのも忘れてはならない。
きっとまだ人類は完全に「回転」をコントロールできたわけではないのだ。
まだまだ身近には、回転しているように見えて、実は他のものが回っているという偽回転名称がたくさん存在している。
それを自らの手で回転させていくこの行為が、回転をコントロールする最初の一歩になるのかもしれない。
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