失われた思い出を求めて俺はイオンのゲーセンへ行く

体験レポート
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きりたんほ
イモリとヤドカリを飼っている。イモリの名前は長久命(ちょうきゅうめい)と力子(かね)。ヤドカリの名前はイオ・エウロパ・カリスト。

小学時代、ゲームは一日30分、お小遣いは無しという家庭で過ごした。

そんなんだから、中学生になっていろいろ緩んだとき、俺はゲーセンに没頭した。クレーンゲームにお年玉一袋分飲まれたり、音ゲーで突き指したりした。毎日通っていた。大してうまくはならなかったが、楽しかった。

 

一時期は実家を離れて暮らしていたが、今は実家暮らし。幼少期を過ごした、スーパーと家と公園と学校しかない住宅街。嫌いじゃない。公園の裏山に登って、缶チューハイ片手に300ドルくらいの夜景を眺めるのはとてもエモい。(とりあえず雑に「エモい」「尊い」「考えさせられる」と何も考えずに表現する人間は毛嫌いしているが、「エモい」という言葉自体は嫌いでない)

 

缶チューハイを買うためのイオン系列スーパー。十数年ほとんど変わっていない。テナントのTSUTAYAがエクササイズスタジオに変わったのが、俺の気づいた唯一の変化。配信サービスの発展ではなく、高齢化が要因だろう。

最上階3階に入っているテナントは2つ。ダイソーとゲームセンター。

 

ゲームセンター…

 

小学生の頃は一度も遊べなかったゲームセンター。

十年以上、姿をほとんど変えずに生き延びてきたゲームセンター。

 

小学生の俺の分まで、遊びつくしてやるぞ。

※全体的に照明がクソ明るくて写り込みが激しいですが勘弁してください。

店内はこんな感じだ

フローリングが温かみを感じさせる。

いくつか壊れているものもあるが、筐体の数はそこそこある。

 

「遊びつくす」といっても何をどうしたら遊びつくしたことになるのかわからない。

そこでノルマを設ける事にした。

 

  • プリクラを撮る
  • カードゲーム(プリチャン、イナズマイレブン、オレカバトル)で当日のランキングで1位を取るorレアカードを手に入れる
  • メダルゲームのジャックポット?っていうの?なんかメダルがジャラジャラ出るイベントを発生させる
  • プライズゲーム(ユーフォ―キャッチャーとか)でなんか取る
  • アクションゲーム(ボールを投げたりするやつとかシューティングとか)でランキングにのる

 

さて、どこから攻略しよう。時刻は午前11時。今はまだ人影はまばらだが、13時を過ぎると、お昼ご飯を食べた後の小学生が仰山遊びに来る。今のうちに片付けておくべきもの…….

 

プリクラとカードゲームのたぐいだ

プリクラに身長180㎝の成人男性が一人で入るところはメチャクチャ見せたくない。カードゲームは筐体の数が少ないので、列に並ぶことになった時が気まずい。この2つを先に済ませよう。

プリクラ。人生で二度目なはずだが、一度目の記憶がない。撮ったのも残ってない。捏造された記憶かもしれない。メイド喫茶で撮ったチェキは数十枚残っているのだが。てなわけで、俺のプリクラについての知識は「チャリで来た」がほぼ全て。

ゲーセンではワンプレイ百円と相場が決まっているが、プリクラは筐体がでかいしシール台紙もある。二百円は覚悟していた……、

 

撤去直前キャンペーンで半額!200円!

 

男性一人の利用を想定していない。基本プレイ400円なのも割り勘前提なのか。

 

デコるという行為を初めて行った。

「シンプル盛りセット」「甘め盛りセット」等、俺の辞書にない単語が並ぶ。「舟盛りセット」なら知っているのだが。シンプルなのか盛るのかハッキリしろ。

 

適当にデコって出来たのがこちら。2人用コースなので当然もう1枚出てきた。DMくれた先着1名にプレゼントだ。(送料はご負担ください)

180cmある図体はおさまりきらないし、脚長補正でO脚が露呈しているが、なんとか撮れた。

 

次はプリチャンだ

プリチャンは昨年稼働したばかりのいわゆる女児用カードゲーム。前身のプリパラ、その前身のプリリズの頃からここに筐体を構えており、とてもきれいに整備されている。年代物の筐体ばかりのこのゲーセンでは異彩を放っている。

何を隠そう、俺はかつてここでプリチャンやプリパラをそこそこプレイしていた、プリチャンおじさんだ。

 

これはその痕跡だ。会員証の後ろに積んでるのがカード。

ニンテンドーSwitch版プリパラを購入してからはプリチャン筐体に金を入れることはなくなったが、久しぶりに楽しむことに。

 

そして…

 

いいね☆ランキング1位!

使用したのは先述したswitch版プリパラの購入特典コーデだ。金の力を使えば女児をねじ伏せることなどたやすい。

これは後で気が付いたのですが、このランキングは当日中のランキングなので、早い時間にやれば1位を簡単に取れるのは当たり前でした。

 

「ねんれい、せいべつかんけいなくだれでもこうかんOKだよ!」

 

と萌黄えもちゃんが言っている。成人男性のプレイも容認されるプリチャン。素晴らしい。

 

次にプレイしたのはこれ

PROBOWL2。

 

手書きの注意書き、よく見るとボールのイラストのそばに「ボール」と書いてあるのがめちゃくちゃ可愛い。

1996年製のゲームだ。俺は1997年生まれなので、一つ先輩。さっきは呼び捨てにしてすんませんでした、PROBOWL2先輩。銭湯にもいましたよね先輩。自分めっちゃ先輩で遊びたかったんすけど、絶対やらせてもらえなかったんすよね。

 

ゲームの内容は

このくらいの大きさの球を

 

転がしてブラウン管の中のピンを倒す。画面にぶつけるんじゃなくて、下の方にあるセンサにぶつける。割とボウリングしている感がある。

4投目まではPROBOWL2先輩がストライクを出してくださっているので、そっから先が俺の腕の見せ所。ちなみに俺が普通にボウリングをする時のスコアは100点前後、別に上手くはないけどいじれるほど下手でもない、旨味の無い実力だ。

 

そして……

照明が明るすぎる上に22年以上前のブラウン管なので見えにくいが、2位にランクインしている。やったぜ。切りのいいスコアばかり並んでいるのは決してデフォルトのランキングだからとかではないはず。

 

お次はプライズゲーだ

微妙に黄ばんでいたり

 

テープが貼ってあったりする筐体たち。

 

目線すればいいってもんじゃねえぞ。

 

選んだ筐体はこれ。

てっつぁんの射的屋さん。

 

このようにコルク銃を操縦してプライズを落とす。結構威力がある。
不自然な隙間でお気づきだろうが、発射シーンの撮影を忘れたことを、商品ゲット後に気が付いた。

 

まあそのゲーム性も面白そうだったが、何より気になったのが、景品のパッケージだ。

 

色あせてない?気のせい?ガラスが汚れてるから?艦これって詳しくないけど、こういう色合いなの?800円で獲得。普通のクレーンよりはかなり簡単だった。

 

やっぱ色あせてたじゃないか。

 

次はメダルゲームなのだが

俺はメダルゲームをほとんど遊んだことがない。面白くないわけじゃないだろうが、どうしても地味な印象がぬぐえなく、景品が手に入るプライズや音楽が聴けて楽しい音ゲーをしがちだ。

 

だからこんな凡ミスをする。(取り出し口に最初からバケツを置いとけばコインを拾うのが簡単なのにそれをしなかったというミスです)

 

さて、一口にメダルゲームといっても色々ある。動く台にメダルが乗っててずり落とすやつ、キャラクターがなんかしてなんかメダルが出てきたり出てこなかったりするやつ、スロット。

まずスロットは避けた。この時間(昼の1時)にもかかわらず、おじい様おばあ様がめちゃくちゃ座ってて萎縮してしまったのだ。この世に存在するらしいアイドルマスターやエウレカセブンのスロットがあればやってみたかったが、並んでいたのは冬のソナタや暴れん坊将軍。

 

取り合えず最初に選んだのはこれ。

俺はポケモンが好きだから。

 

コインを5枚入れてボタンを押したら

負けた。何が起きたかもわからず負けた。意味わかんねえ。

 

次に選んだのはこれ

カジノの雰囲気をファンシーな装飾で完全に殺している。こんな装飾をすれば拷問器具とか兵器でもファンシーになるだろう。世界から争いを無くすヒントはここにある。

 

……全然勝てない。横の小学生兄弟と張り合って無駄にコインを消費した。ギャンブルはやはりだめだ。世界に争いを生む。

どの筐体で遊べばいいんだ……

 

これだ!

 

ファミスタグランドスラム。

 

ファミスタはプレイしたことはないが、名作ゲームの安心感がある。ポケモンと違ってメダルが目に見えるから理不尽感もない。この時点で残ってたメダルは62枚。増やしてやるぞ。

ゲームとしては、基本部分はよくあるメダルを落とすやつ。テーブルの上に動くテーブルが乗ってて、それを利用してコインをずらして落とす。

そしてファミスタ要素として、メダルを下部のポケットに入れるとバッティングができる。ストライクやボールはなく、ヒットorアウト。真ん中の回転している野球ボール型に空いた穴に入れればホームランorヒットorアウト。打たせて取るピッチャーしかいない。

メダルゲーム初心者、まずバッティングをさせてもらえない。最初にあった62枚を投入した時点で3人しかバットを振れてない。

 

2アウト1塁。一応バットを振らずともメダルをずらして落とすことはできるので、23枚のコインが帰ってきている。

 

そうこうしてたら4番打者が出てきた。BGMが変わる。

 

そして….

 

ホームラン!!!!!!

 

ジャラジャラジャラジャラジャラ!!!!!!!!!

※照明の写り込みとか関係なく写真が分かりにくいですが、興奮状態で少しでも写真を残せていたことをむしろほめてください。

 

さて、さっき帰ってきたメダル23枚を使い切った時点で帰ってきたメダルは…….

 

32枚。9枚しか増えなかった。

 

その後ヒットこそあるものの得点をする事はなく、メダルは消えた。途中華々しく出てきた代打の外国人選手がショートライナーに倒れたり、ラッキーセブンにノーヒットで終わったりした。まあ、一瞬は9枚増やしたからノルマ達成!!!!やった!!!!これで今日のノルマはクリア!!!!

後は適当に太鼓の達人(2005年版と2011年版が設置してある。100円4曲の親切設計)をしたり。クレーンゲームに500円入れて終わったり。

雑感

俺は小学生の頃の分を遊びつくせたのだろうか。過去の俺は何も答えてくれない。だが、現代の俺は間違いなく楽しかった。日々の疲れをお金と時間を少しづつ消費しながら忘れていく。飽きてしまうとまた違うのかもしれないが、普段やる音ゲーでフルコンボ逃してイライラするようなことはなく、じわじわ満たされるような感覚。4時間の滞在で、使ったお金は2000円。高いか安いか。あなたが田舎のゲームセンターで4時間過ごしてみると分かるはずだ。

 

後日、ラウンドワンで3000円使ってフィギュアを逃した。音ゲーでは1ミスでフルコンボ逃しを3連した。これぞゲーセンって感じだ。

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きりたんほ
イモリとヤドカリを飼っている。イモリの名前は長久命(ちょうきゅうめい)と力子(かね)。ヤドカリの名前はイオ・エウロパ・カリスト。
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