トレード飯カップ2019

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DachimiN
コロンビア大学でうんこをしたことがある。

はじめに

人間の記憶のしくみというのは実に興味深い。

大事な取引先の名前はど忘れしてしまうことはあるのに、クソの役にも立たないような無駄な情報は意外としっかり覚えているものである。私に関して言えば,小学校の時に好きだった娘の名前は覚えていないのに、図書館で読んだドラえもんのある1シーンは未だに覚えている。

そのシーンは、のび太君が過去にタイムスリップして過酷な農作業を手伝うというものだった。その中でのび太君は腹が減ったので昼食を要求するが、農家の人は「何言ってんだ。1日2食だから昼飯なんてない」と言ってのび太君を泣かすという場面である。

このシーンは朝昼晩と何の疑いもなく飯を食らっていた当時の自分には衝撃だった。飯を食べる時間は絶対的に決まっているというわけではなく、その時代や文化によるものなのだと気が付けた一大パラダイムであった。

この例が示す通り、我々はしばしば何の疑いもなく習慣に対して服従する。今回のような食に関する習慣については,すべての人が毎日通過する習慣だけにより一層意識を払う必要があるだろう。しかし、現代の忙しい人類は僅かな時間の中でファストフードを詰め込むような生命機能を持続させるためだけの食事になっている面もある。これは食べ物や作ってくれた人たちに失礼である。そこで、私は食事という習慣を改めて見直すためにある試みを行うことにした。

トレード飯カップ2019

私が行ったのはあるテーマの下、決められた予算内で相手の食事を決めるという「トレード飯カップ2019」だ。なぜこれが食事習慣を見直すために良いのかについて説明する。

1つ目に、何が食べられるかは相手次第という状況が食事というイベントに対する特別感を与える。普段の食事では、何を食べるかということに関して我々に選択権はないと言える。いや、私は自分で店を選び、そして自分でメニューを決めていると考える人もいるかもしれない。しかし、店を探すにしても食べログという狭い箱庭の中だけでの話だし、食べる物も知らず知らずのうちに今後の予定やTPOに合わせたメニューになることはないだろうか。つまり、我々は食事のチョイスに関しては完全に奴隷、3.5の店は満員御礼、それに気づかずEveryone says okay,なのだ。

一方、その事実を認め,敢えて食事内容を全て託すというのは、食わされるという檻から外れられる自由の飛翔なのだ。それによりこれまでの食事では味わえなかった特別感を得られる。2つ目に相手の食事メニューを考えるという行為が、自身の食事を見直す契機となり得るということだ。誰もがご存知の通り、新川優愛がプレゼントに関して最もうれしい瞬間は誰かのためにプレゼントを選んでいる時だ。誰かの喜ぶ顔のためにプレゼント選びをがんばる優愛ちゃんが好きだよ。

さて、誰かのために何かを選ぶというのは自分だったら何をもらったら嬉しいだろうというプロセスを経るだろう。これはつまり、相手の食事メニューを選ぶという行為を通して、自身にとっての食事とは何かということを発見する良い機会となることだろう。

トレード飯カップ2019スタート!

さてそのような経緯で行われた今回のカップ。今回のカップのテーマは「うざい○○」であった。

決戦の舞台はファミリーマートで,予算は500円。なお、本大会の特別ルールにより予算オーバーをした場合は死ななければならないことになった。選手は私と友人のY氏の2人がエントリー。果たして両選手はどのようなスタイルで「うざい○○」を表現したのか。

まずは、浪速の狂のび太ことY氏。彼が私のために選んだメニューはこれだ!

テーマ:「うざい健康志向のOL」

メニュー:フレッシュ野菜サラダ、フルグラ(糖質オフ)、牛乳(500ml)、ミルクとたまごのプリン

うざい健康志向のOL「まずメインとなる食事は美容のミカタであるフレッシュ野菜サラダ(163円)。もちろん塩分や余分なカロリーは取りたくないからドレッシングはなしヨ!そして健康に良さそうだからフルグラも必須ね!しかもそんなフルグラが糖質オフですって!?これはマストで買うしかないわね!え?それでも糖質は18.9gだからマヨネーズ大さじ40杯分はあるじゃないかですって?フルグラだからいいの!!あ、あと今日は頑張ったからご褒美にプリンね!(159カロリー)」

Y氏のこだわりポイント:うざい健康志向ということでドレッシングなしというストイックなメニューにしながらもデザートはちゃっかりとるという矛盾でうざさを表現しました。また、糖質オフという文言に踊らされれていそうなところもこだわりました。どうせこいつらは糖質オフという言葉さえ書いてあれば地溝油でも喜んで買うだろ!」(地溝油:排水溝や下水溝に溜まったクリーム状の油をろ過して生成した油のこと。非常に毒性が高く危険)

Y氏はうざい健康志向のOLに恨みでもあるのかと思うほど挑発的なメニューで会場を騒然とさせた。実際食べたの私の感想は、ドレッシングなしサラダは想像以上にきつかったことは強調しておきたい。そして、フルグラに関しては作る皿がなかったので、口の中に押し込んだ後に牛乳を流し込むというOLが絶対やらなそうなstyleで何とか食べた。腹持ちは良かったが満足感は無かった。

続いては私がY氏のために選んだメニューをご紹介。

テーマ:「うざいOL」

メニュー:オクラとなめこのネバネバサラダ,トマトジュース,焼きチーズタルト

まさかのテーマ被り&メニューの構成もほぼ一緒。飲み物までトマトジュースにするほどストイックなダイエットをしているのにデザートを摂取してしまうという矛盾を表現した。実際にはこうのような食事を取るうざいOLなんて見たことがないのに,でっち上げで同じようなものを作ってしまうあたり,社会にはびこるステレオタイプの根強さが窺える。

ちなみに予算オーバーをしてしまったのでこの後死にました。

総括

今回,お互いのメニューを選ぶという選手権を行い,私が普段いかに食事に対して無頓着だったのかという事実に気が付かされた。また,せっかくお金を払ったのに満足ができない食事を食わされ,かつデザートのせいでそれなりにカロリー摂取もしているという悲しさも味わった。世の中の野良OLの人達はこの寂しさを背負い生きているのだろうか。もしそうだとしたら,彼女らは現代を生きるソルジャーだ。普段はチンアナゴの脳くらい小さな弁当でカロリーを抑えているのにタピオカを摂取してカロリーのお釣りを使い切る行為は矛盾しているように思えるが,今回の経験を通して見れば男女不平等社会を痛烈な批判する高尚な行為のように見えてくる。タピオカの一粒一粒は彼女らの涙の結晶なのだ。こういった社会の真相に気が付けた点でも今回の試みは価値があった。

次回は「性格の悪い相撲部マネージャー」というテーマで行いたい。

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