メンヘラ女との戦い ☆アメリカ留学編☆

エッセイ

第一部:ファントムガール

アメリカ留学が決まり、その旨を友人に話すと、200%の確率でパツ金のチャンネーをGETしてこいよと言われた。元来、(責任を)持て持てと言われてきても、モテモテと言われたことなどない性分故に、そんなチャンスなど毛頭ないと思っていた。しかし、この期待は裏切られることとなる。悪い意味で。

 

出会い

アメリカに行く前は、せっかくの機会を無駄にしたくなかったので、一切日本語を使わずに過ごそうと考えていた。しかし、大得意のオーキド博士のモノマネが米国人には通じない事実は想像以上に私を苦しめ、救いを求めるかのように日本人同好会の戸を叩いた。そこでは、現地の学生向けに日本語教室を開催しており、なんやかんやで私はそこの先生をすることとなった。その最初のミーティングでは、アクの強いグローバルオタクが集結しており、ブックオフの匂いがしていた。馬鹿にしているわけではないが、日本文化に興味がある方は98%くらいアニメから来るので、つまり、そういった類のメガネボーイズが大半を占めるのである。

 

そんな中、1人だけ女の子がいた。女の子は多少のごつさは感じさせたが、見た目はちゃんとした女の子であった。ブックオフボーイズの中で一人ポツンと寂しそうにしていたので話しかけた。話を聞いてみると、どうやら彼女は韓国のイケメングループが好きらしかった。では、韓国同好会行けよという話であるが、実際、韓国同好会も中国同好会も行っているようであった。この時は、アジアの文化に興味があるのかな?程度にしか思わなかったが、後日、実際の彼女の目的はアジアンボーイフレンドを手に入れることと知ることとなる。

 

そんなことも知らないピュアボーイの私は、意図的ではないが、その子とばかりしゃべる立ち回りになってしまった。その過程で、英語が苦手な自分のために専属先生になってくれると申し出てくれた。エッチなマンガばかり読んでいる人達は「プゴォグェwwwキタコレwww」と興奮するかもしれないが、英語を使って生活しないといけない自分にとっては、サバイバルのためという意識の方が強かった。連絡先を交換した私たちは、初めてのレッスンに向けて予定を調節した。

 

初めてのレッスン

初めてのレッスンは彼女の家でやることとなった。日本人の私の感覚としては、いきなり異性を招いて部屋でレッスンするのは、ページ数が足りないエロ漫画だけでしか起こらないと思っていた。ただ、アメリカはルームシェアが一般的なので、家や公共性に対する考えが違うのだろうと自分自身を納得させて向かった。昼の12時ごろに部屋にお邪魔すると、スマブラのメテオアタックばりに、ビールを垂直(?)に飲んでいた。上手く描写ができないが、とにかく、とんでもない勢いでビールを飲んでいた。それはまるで私、酔ってるからというのをアピールするように……

 

レッスンはソファの上にて横並びで行われた。えらい近いなと思ったが、「日本よ、これがアメリカだ」と自分自身を納得させた。レッスンは彼女が持参した「日米スラング辞典」をもとに行われた。そして彼女はおもむろに下ネタのセクションまでページを繰り、次々と卑猥な言葉を私に吹き込んでいった。その様子はまるで若い女性社員に反則級の下ネタをぶっこんでくるジジィのようであった。私はただ狼狽するばかりで、New Horizon で習った「I see」を連発する他なかった。

 

高橋名人

酒も入り、エロい雰囲気になったから、いけっるっしょ!と相手は思ったのだろう。彼女はおもむろに私のベッドルームを見たいかと聞いてきた。打ち切り間近のラブコメでも中々見られない絶好のチャンスであろう。私の中の理性は、「キャプテ~ン、これはヤバいでやんす~」と警告ランプを灯していたものの、特に断る理由も見つけられず、彼女のベッドルームに通されてしまった。部屋に入るやいなや、彼女はその肉体を寝台に投げ出し、その豊満な臀部を誇示するかのようにこちらに向けてきた。私はその新芽のように透き通った肌に浮かぶ魅惑の美丘に、湧き上がる官能をぶつけたい衝動に駆られたが、「キャプテ~ン、これはヤバいでやんす~」と私の中の理性がそれを阻止した。その様子はまるで、PS2の仮面ライダー555のゲームで連打を押し負けたら相手に必殺技を打たれる状況に酷似していた。

(PS2の仮面ライダー555のゲームで連打を押し負けたら相手に必殺技を打たれる状況)

 

さて、自分の中に潜む理性が、秒間16連射でフラグを全折りしたところで、見事、国際童貞を守ることはできた。しかし、本当に恐ろしいのはここからであった。家に帰ると「あなたのことが…好きかも♡」とメッセージが入っていた。一般的男子は「タヒね!そんなおいしい話があるか!創作乙!」と揶揄するかもしれない。しかし、本当に恐ろしいのはここからである。今からお話する事実を知れば、羨ましいなんて言葉はきっと出てこないだろう。

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