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それでもメシを食う。
是枝監督の映画タイトルみたいな出だしでこんにちは!
食べて寝ることばかり考えているライターの、三戸満平です。
いきなりですが、こちらをご覧ください。
一見何の変哲もない食パンですが、
実は、サンドイッチなんですね。ハム、マヨネーズ、コチュジャンをぶちまけただけの、ウルトラシンプルなサンドイッチ。
この美味そうでもなんでもないサンドイッチが何かというと、私が昔、メンタルが極限に追い込まれた時、真昼間にカーテンを閉めて引きこもった部屋でモソモソと食べていた「冷蔵庫にあるもので作ったハムサンド」なんですね。このサンドイッチの写真を見るたびに、胸がウっとなるのもある意味思い出。
けれどもメンタルブレイクしているのに、「パンだけじゃ味気ねぇな…」とハムと調味料、すなわち「美味しさ」を求めるあたりが人の業ってやつでしょうか。
人間、いや、生命の特徴の一つが「食わなきゃ死ぬ」ことだと思います。
したがって私達はどんだけメンタルブレイクしてても、パートナーに振られても、お金がなくても、忙しくても、疲れてても、飯を食う生き物なのです。
そしてそんな時に現れるのが、上のハムサンドのような、限界だけどなんとか美味しさを求める故に生まれる「限界メシ。」
それは、普段だったら食べないけど、限界の時にだけ現れるある意味奇跡のようなご飯なのです。
自分の場合は、ハムサンドですが、人には人の限界メシがあるはず。
他の皆さんは果たしてどんな限界メシを持ってるんだろう…?
そう思った私は、インターネットの海に「おーい!みんなの限界メシを教えてよー!」と叫んでみました。
すると、波の合間から答えをぶん投げてくれる奇特な(優しい)人がいたので、今日は皆さんの限界メシを紹介したいと思います。簡単なものが殆どなので、飯食う気力がないけど腹は減る…という人はこれを読んで参考にしていただければ幸いです。
王道和食限界メシ 豆腐納豆メシ
まず最初にご紹介するのは、当サイトの管理人でもある、ピリきゅうさんの限界メシ「豆腐納豆メシ」です。
実家ニートして、家に金も入れず、家中におちてる小銭を拾ってラーメンを食いに行ってた頃の話です。家に食べ物はあるっぽいが、それを使ってちゃんとした料理を作る気力はなかったので、こればっか食ってました。ご飯は炊飯器に残った冷ご飯でした。豆腐のひやっこさがのどごしをよくさせる、夏にピッタリの一品です。
ラーメンを食べれるほどの小銭を拾えるなんて逆に富豪の家では…?と一瞬思いましたが、さっそく作ってみましょう。
まず材料。ごはん、納豆、豆腐、醤油。以上。
ご飯の上に豆腐を載せて
その上に納豆をかけて、醤油をタラ―っと。この豆腐の形が、鬼滅の刃で話題の「一刀石」みたいでかっこいいなと思いました。
最後に豆腐を砕くように混ぜて完成です。
お味としては、ぴりきゅうさんも書いている通り、豆腐ののど越しがとてもよく、さらに納豆のネバネバもあいまって、喉をつるつると通っていく感じがとても良いです。夏に外で蝉がミンミンと鳴いている時にワシャワシャ―!と食うにはとても理想的。
豆腐も納豆も栄養豊富、かつ値段も安いので、これは王道的な「限界メシ」かも。ちょっと色気を出したいときは、辣油とかを垂らしても美味しいかもしれません。
今後が楽しみな一品、千切りキャベツベビースター
つづいては「つづく」さんから頂いたレシピ「千切りキャベツベビースター」(ちなみにつづくさんは2つも送ってくださいました!ありがとうございました!)
一時、パリパリ麵サラダ(乾麺とキャベツをいっしょに食べるやつ)にハマっていてでもパリパリ麵よりもベビースターのほうが安いと気づき、食べたら割とイケた。(パリパリ麵がないときに家にたまたまあったベビースターを見て閃いたっていうのもある) ベビースターのほうが味がしっかりしているのでドレッシングなしでもイケるといえばイケる。足りないなら塩こしょうを付け加えると良い。ドレッシングをどうしてもほしいならあっさりめのドレッシングが合う。
というわけで材料はこちら。
ここで一つ謝罪なのですが、奈良県民の私、近場のスーパーにどうしても普通のベビースターラーメンがなく、ドデカイベビースターしかありませんでしたので、今回はこちらを使わせてください。さすが大仏の国奈良、ベビースターもでかいです。
キャベツの千切り、「よーく考えたらキャベツ一個を買って千切りした方が沢山作れるのでコストは安い」のですが、金欠or精神or体力の限界の時にはその一個(200円くらい)を買う、もしくはそのカットする手間が限界なのです。偉い人にはそれがわからないのです。
というわけで調理。
五秒で出来ました。この手軽さ、非常に限界メシとしては素晴らしい成績だと思います。
食べて驚いたのが、とにかく「合う!」ということ
食べる前は正直、ベビースターのカリカリ感と、キャベツのパリパリ感が喧嘩をして、喉が痛くなるのではないか、ドレッシング必須ではないのかと思っていたのです。
しかし、野菜代表でもあるキャベツが「ワシにだって…水分はあるんじゃあ!」と漢気を発することで、口の中でキャベツとベビースターがいい感じに融合します。
ベビースターの味によるものかもしれませんが、塩気もちょうどよく、体力と財力に余裕があれば、普通にサラダを作ったうえで、トッピングにベビースターを載せるのも全然ありだな…と思わせてくれる一品でした。
(ちなみに、つづくさんはもう一品「キャベツの千切りと鯖缶」というレシピも送ってくださいました。これもこれで「普通に晩御飯の一品でアリ」という美味しさでした。)
発想はわかると言わざるを得ない「ニセ寿司」
つづいては庭氏さんからの限界メシです。「寿司」とはまた限界メシとは対極にあるご飯ですが、はたして。
すべての食料が尽きて尚且つ外に出る気力が湧かなかった日、無精髭でキッチンを漁ってたら保存食として用意していた餅とギョニソを見つけました。 米と魚を醤油につけて食べれば実質寿司じゃん!とごちそうを頬張るようなら食べたのですが、味覚の概念が崩壊した世界の栄養食みたいな不快な味が餅によって延々と続く体験をしました。 餅と魚肉ソーセージを一緒に食べても寿司にはなりません。
餅は確かに「米」、そしてギョニソは確かに「魚」。つまり足せば寿司じゃーん!という理論。
いやいや、そんな…
……
…
…あれ、反論できなくない?確かに寿司じゃない?
とにかく食べて判断しましょう。
というわけでギョニソと餅を用意しました。ちなみにですけどギョニソ、なんか最近値上がりした気がしません?学生時代にさくら水産で頼んでたあの頃が懐かしいです。
料理エッセイの大御所、東海林さだおさんのエッセイでもギョニソは清貧の象徴として扱われていたりもするので、限界メシ界においては名実ともにある強豪って感じですね。
では餅を焼いて(地獄のように見えますが我が家のトースターです)
スライスした魚肉を載せます。なんかだまし絵みたいな映りになりましたね。
これに醤油をつけて食べれば、ニセ寿司の完成!
アッツアツなので気を付けて持ちつついざ実食!
……
…
…うん、寿司じゃないわ。
米由来の餅ともあれば、その包容力はさぞかし!ギョニソを抱きしめて離さない!となると思ったのですが、餅がなぜかギョニソを拒絶しています。昔何かあったのでしょうか。米が変わり切った姿をギョニソに見られたくないのでしょうか。
餅と醤油は当然会いますし、醤油とギョニソはこれまた合います。ですが、餅とギョニソがとにかく合わないのでなんだか口の中でぎくしゃくしているのですね。
そしてこれは不思議だったのですが、餅を食べて、後から口の中にギョニソを放り込むと、一緒に口に放り込むよりも美味しく感じました。なんなんだこれは。
でもこの組み合わせと、不思議さ、面白さは誰かと共有したくなるので、お金のない学生さんの宅飲みの締めにいいかもしれません。実家からお持ちもらって溜めてる学生さん、いるでしょ?(責任は持ちませんけど)
なぞにうますぎる。「オムライスのライスパン」
続いては吉川さんから頂いた、「オムライスのライスパン」です。
食パンにケチャップとマヨネーズをパンして食べる楽だし食器も使わないで済む



アレじゃない。でもアレだわ。「カップラーメンスープの小麦粉固め」
さぁ続きましては「きりたんほさん」から頂いた限界メシです。
ラ王を食べた後の残り汁に目分量の小麦粉を入れ、混ぜて焼きます。確かタンタン麺味でした。当時のブログに写真があります。自炊した料理で唯一捨てました。辛くてネバネバしてました。






あふれる清々しさ。「お弁当」
限界メシもいよいよ最後のご紹介。
最後にご紹介するのは、「決算さん」からいただいた限界メシ、その名も「お弁当」です!
(材料) きゅうり1本 ハム1パック(4連とかになってるやつ) ごはん
1、ごはんをラップで適当に丸める
2、きゅうり、ハム、まるめたごはんをその辺においてあった袋に入れて出かける
~終わり~
あまりにも時間がないときの食生活。 ハムときゅうりのバランスを見ながら丸かじりし、 ごはんを消費します。
米、加工肉、手に持てる野菜の組み合わせと言えば、青春漫画の金字塔『ハチミツとクローバー』に出てくる「おにぎり・魚肉ソーセージ・黄色いタクアン」の組み合わせを思い出しますが、今回はそれをさらに簡単にした、より限界に近いメシ!
用意も簡単でした。
さっそく出かけて、外で食べてみましょう。
公園に来ましたが、クソ暑い。おっと、汚い言葉ですいません。今年(2023年)の暑さは本当に言語中枢を暴力的にさせますよね。
ではさっそくいただきます!
ハムとご飯の組み合わせ、これはもう言わずもがなですね。あり。大いにアリ。夏ということもあるのでしょうが、ハムの塩気と、ご飯のかすかな甘みが合います。
そしてこれ。
夏野菜のエースともいうべきキュウリ、こいつの瑞々しさがなんともいい!塩気のあるハムと組み合わさることで、ご飯と幸せなハーモニーを奏でてくれます。余裕があればこれが浅漬けとかでもいいかもしれない。
そしてこの限界メシの組み合わせの最大のポイントは、夏という季節が滅茶苦茶合うこと。ハムとご飯とキュウリ、夏の季語なんじゃないかと思うくらい。
太陽はギラギラと光り、遠くには入道雲が見え、蝉の声はやたらとうるさい、夏の一日。
その中でキュウリ一本を夏空の下外で丸かじりしているという光景は、なんだか「夏休みの田舎で過ごしたあの日々」という、あったようななかったようなメモリーを脳内に作りだしてくれます。
あぁ、今俺は猛烈にばあちゃんに会いたい。
まとめ 限界メシとは、不味い飯ではない。
というわけで限界メシをご紹介させていただきました。
※記事の都合で、ご投稿いただいたすべての限界メシをご紹介できませんでした。すみません!
皆さんの投稿の節々から「限界メシなんで…」「こんなまずいもの…」というコメントが滲んできましたが、今回作ったものの中で不味かったものは一個もなかったです。むしろ、最短・最安で作られた料理の数々は、「すごい!」の言葉の方が合うものばかり。
ほら、よく漫画とかで、疲労などで限界に追い込まれた主人公が、一見ヘロヘロの状態で繰り出した一撃が岩を割ったり、波を砕いたりすることあるじゃないですか、あれですあれ。
そしてまた、その多くが「あれ、これここをこうしたらもっと美味くなるのでは・・・?」という可能性を感じさせてくれる料理でもありました。
つまり限界メシとは、限界に追い込まれた私達が作る、美味しい、なおかつ「さらなる可能性を秘めたメシ」ということなんですね。
限界の状態で作り出される、最短手段、最安手段で作られる限界メシ。
皆様も一品、自分のなかに持っておくと、今後来るかもしれない自分の限界が少し楽に、もしくは楽しくなるかもしれません!
でも、あまりにも限界な時は周りに頼ったり、素直に休もうね!(超大事)


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