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もーす
工場勤務のお兄さん。絵を描くのが好きです。
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世間はもうすっかり夏。でも僕はまだ梅雨のイメージから抜け出せていない気がした。
8月4日、暇なので名古屋まで遊びに行く。ついでに夏を探してみよう。
足りてない夏を補うことができたら、そのムードを短い文にまとめてみよう。
日記のような、俳句のような、誰かに向けた報告のような。
家から最寄り駅まで歩いていく、田舎道
転がったセミを大回りでよける
スポーツデポの袋に入ったままの海パン
線路沿いのアサガオ野生か誰かが植えたのか
トンボ飛んで田んぼの上まで
団扇を持ってきて正解だった
行きの電車、乗客、窓から見える景色
稲、稲、サギ、稲
夏休みの電車で座れるはずもなく
サンダルの季節に明らかになる彼女のペディキュアのセンス
クーラーの首振りがもう少しのところで僕に届かない
電車の中にいた蛾は終点でもおりなかった
名古屋の街
薄着よりも厚いコスプレ衣装を選ぶ人たち
山下達郎が無性に聴きたくなる
テナント募集の空間にもクーラーの風
なぜ君は灰色のTシャツを着てきてしまったんだ
本屋なのに涼しくないなんて
暑い日も熱いラーメンが食べたい
帰りの電車、また歩いて帰り道、ただいま
大きな飴かと思ったら小さな扇風機だった
かわいそうなぐらい虫の死骸がついた自動販売機
ここのグリーンカーテンはヘチマじゃなくてゴーヤ
セミが騒げば無縁仏も寂しくない
カラオケ教室から聞こえるリバーサイドホテル
水風呂入って冷しゃぶの気分
神棚を見るような目でエアコンを見る
花火がなって思い出す駅で見た浴衣姿
<おわり>
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