あさひ投機紀行 地獄篇第二歌

エッセイ
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あめのちあさひ
あさひのひは「悲惨」のひ。エウレカセブンと椎名林檎のオタク。どうか愛してください。

FX最高!じゃんじゃん儲かる!!!!

……ってインターネットのFX業者サイトでは喧伝されてるけどさ、んなワケあるわけねーだろ。運の要素が大きいんでしょ? 元手が小さきゃ小銭しか儲からないんでしょう? 甘言ばっか弄してんじゃねーよ……と突っ込みたくなるが、とはいえ他方で、「FXはギャンブルだから素人は手を出すな」って訳知り顔のひとがよく言ってるこれも気に食わなくて、おまえFXやったことねえだろって感じの根性なしが安全圏からモノを言ってるものばかりだと思う。手数料を取られるからけっきょく胴元が勝つギャンブルなんだと理屈を言われるが、だったら「電車に乗ると電車賃がかかるから電車に乗るな」も言えちゃうと思うんだがな。ちがうか? ギャンブルっていうと、そもそも人生がギャンブルみたいなものじゃないのか……なんてことをうだうだ考えた結果、やってみるのが早いじゃねえか! 人生は冒険や! FXも冒険や! 貯金せんでええ! いくとこまでいったろ!! という気持ちになった。

というワケでね、株に飽き足らず、FXも始めたんですね。FXとは、基本的に外国の通貨を売買したときの為替レートの差で儲ける金融商品ですね。日本円とアサヒ(神聖アサヒ帝国の通貨単位)で取引をした場合、1アサヒを100円で買って、1アサヒが105円になったときに売れたら、5円儲かるというわけです。FXの場合は売買するお金にさらに倍率をかけたうえで損益の差分で決済できることから、手持ちのお金よりも扱える金額が増えてより大きな儲けを得られるのです。ただし危険もあり、10,000円で100アサヒ(1アサヒ=100円)買った直後に革命が起きて神聖アサヒ皇帝が斃されて政情不安になって1アサヒの価値が1円とかになっちゃったら、10,000円が100円に下がって爆死しますね。このへんのちゃんとした理屈は教科書で学んでもらうとして、本稿では「FXはマジ危ないのか? いやさ儲かるのか?」というのを、体感ベースで書いていきます。

FXはマジ危ないのですか?

お金を失っても困らないなら、危険ではないです(そんな奴いるのか?)。海外業者を使って高レバレッジな取引をしていると一瞬で何千円何万円ものお金が吹き飛ぶので、まぁ危ないっていうか、喩えるなら駆け馬の幻燈のごとき煌めきで、お金を燃やして遊んだ「十代のころの恋」のような気持ちになりますね。あのころの情熱を覚えているか?

FXは儲かるのですか?

儲かりま~す!! 長年「ラクして儲かることね~かな~?」って思っていましたが、その回答がコレでした。もっと早く始めていればよかった。

FXは損しますか?

損します。タイミング次第では一瞬で地獄篇に突入します。この記事を書いてるときガクガクッと下がって、このままでは10万円敗北コースです。すごいデタラメな説明かもしれないが、小学校のときに大縄跳びが苦手だったひとは向いていないと思います。回転する大縄に向かって、いま入るか? いま入るか? って測った挙句変なタイミングで突っ込んでひっかけてずっこけるやつ。それと同じ感じで、いま買うか? と思ったときにはもう遅くて、変なタイミングで買っちゃって、こけますね。

FXで損したらイラつきますか?

心理的な度合いをポケモンGOの対戦とFXで比較するならば、ポケモンGOの対戦のほうがドキドキするしイライラするし病みますね。とりあえずまだ大した金額を扱っていないからこう思うのかもしれませんが。FXの場合は、思ったより儲からなかったり多少手持ちのお金が目減りしても、「つぎやっていくぞ!」と気持ちを切り替えられますが、ポケモンは1戦負けただけでもスマホをブチ壊したくなる。1円も損をしていなくてもムカつくことってあるんですよね。ただ、ポケモンよりはマシってだけで、FXで損したらもちろんイラつきます。ま、損しなければいいだけのコト!

FXをやりすぎると人間性が失われてしまうのではないですか?

いえ、そんなことはないです。むしろですね、「今日は良い波に乗れなかった……」ってサーファーのようなことを思ったり、「皆殺しだ!皆殺しだ!」って軍人のようなことを叫んだり、「だれかヨチヨチして……」って赤ちゃん返りしたり、「判断が遅い!」って天狗のおじさんになったり、相場にの乱高下に相関して感情の起伏も上下するとともに人間性はどんどん豊かになっていくように思われます。また、秒速でお金が増えるので、欲をかいて破滅する人間の心理がよくわかります。そして、秒速でお金が消えるので、賭場でアツくなって廻銭を要求する博徒の気持ちにも寄り添えるようになりました。FXという媒介を通して、ひとのこころがわかるようになってくるのですねえ。

お金に執着するなんてみっともなくないですか? みんなで富を分かち合ってみんなで幸せになる理想の社会のことを考えましょうよ

僕は子供のころ、親に欲しいオモチャなんかをねだっても「ぜいたくはいかん、我慢しろ」と言われて不満に思うことが多かった。でも長じるにつれてこれを考えると、うちの両親が育ってきた時代って、戦後日本が復興して経済成長してものがあふれて豊かになった結果、ものを持つことが人間のステータスを表す社会だったわけだ。所有が大きなステータスとされる社会ではものを持ちたいという欲望があるほか、欲望すること自体を欲望するという気持ちが生まれてくるから、親の言葉はぜいたくを戒めるというより、欲望を制御せよという意味で我慢を強いていたのだ、と考えるべきものだった。一方、僕の学生時代以降っていうのはずっと不景気で、若者がお金を持っていないのが当たり前の世の中で、所有すること自体にかつての親の時代ほどの欲望が抱かれなくなってしまった。で、コストをかけないこと、ものをシェアするのがヨシとされている時代になっちゃったんだな。僕は所有する欲望の制御のほうが当たり前だと思って成長してきたので、シェアという発想がとことん気に食わない。持つか、持てないなら我慢するか、の択で生きていきたい。みんなで分かち合うという考えはいっけん良いようだけど、分かち合う人間の中で必然的にパワーバランスを生むので、長期的には良い関係にはならないと思っている。ひとの集まりについての考えという話になるかもしれない。能力のある人間が集まってチームを組むのはよいだろうが、ちからのないものが集まっても共産主義の悪いところが表出して失敗するだろう、ということです。これは所有の欲望をどこに転嫁するかという議論であって、社会保障をないがしろにしていいとかいう話ではありません。

FXでむりして殖やさなくてもお金が有り余っているんですけど……

いますぐ僕に寄付をしてください。全資産の1%で構いません。よろしくお願いいたします。

いかがでしたか? FXの魅力と恐怖が伝わったかな? では次回は、読者のみなさんがいちばん気になっているところでしょう! 「株やFXで稼いだ金で女を抱けるのか?」を、徹底検証していきたいと思います!

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