コオロギの事、なにもわかってなかった。虫を美味しく育てて食べる。 ※虫画像注意

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きりたんほ
イモリとヤドカリを飼っている。イモリの名前は長久命(ちょうきゅうめい)と力子(かね)。ヤドカリの名前はイオ・エウロパ・カリスト。

※筆者は過激派広島県民です。一部地域で【広島焼き】と呼ばれる料理こそが【お好み焼き】だと確信しています。過激派広島県民の前で【広島焼き】と呼ぶ者は、宮島の凶暴な鹿に八つ裂きにされます。

広島県廿日市(はつかいち)市のお好み焼き店、【峠道(タオタオ)】。ここのメニューにコオロギお好み焼きがある。「ど〜もwコオロギ、やってまっせw」の様なゲテモノアピールはせず、真っ当なお好み焼き屋の真っ当なメニューの1つとして扱っている。

日が沈むころ、店の周りでリンリン聴こえるので、その辺のコオロギとっ捕まえてるのかと思いそうになるが、そんな事はない。
【広島もみじコオロギ】という、衛生的な環境で人間も食べられる餌で育てたコオロギを使っている。人間も食べられる餌と言っても、無駄に贅沢なものを与えているわけではない。主食は、廃棄される不揃いなアーモンドで作ったパウダー。
他には、どうしても傷や汚れが付くので販売されないレタスの外葉など、食卓には届かないが、衛生面・品質面には問題のない食品を使っている。

コオロギお好み焼きを注文。鉄板の前に座る。

鉄板で、客の前で焼くのが広島県の常識。最後までアツアツで食べられるのだ。

2010年から2019年、広島市の小中学校には「言語数理運用科」という教科があった。各教科で学んだことを実生活に応用するという名目で、お好み焼きの焼き方、カープの歴史、マツダの技術などの広島県民としての誇りを学ぶ教科だ。僕も履修したため、当たり前のようにお好み焼きのレシピを解説できるが、書き出すと2万文字は超えるので今回は割愛させてもらう。

ソースと青のりがきれいにまんべんなくかかった後、主役が現われた。

素揚げされたコオロギがどっさり12匹。僕が飼育したのコオロギより大きめの品種だ。ソースと似た茶色なので、色合いはあまり違和感がない。コオロギが乗っているという現象への違和感を感じるかはあなた次第だ。

 

お好み焼きは小さいヘラで食べるのが広島県の常識。箸よりもアツアツで食べられる。

それではいただきます。

 

めっちゃ美味い。
ぶち美味い。
(広島の方言で、とてつもなく美味しいという意味。)

過激派広島県民はお好み焼きの舌が肥えていて、並のお好み焼きはここまで褒めない。だが、これは本当に美味い。
素揚げのコオロギは香ばしいアーモンドの風味でザクザクの食感。前回は食感を小エビのから揚げに例えたが、エビより殻が薄い。
肉は少ないがその分、食感と風味が最高。生地はの表面はパリパリ、中の肉やキャベツはジューシーなお好み焼きにマッチ。豚肉がかなり脂がのっていて、ともすればパサパサになりそうなコオロギとバランスが取れている。

店長さん曰く、「色んな業者さんが育てたコオロギを食べたが、ここのコオロギが一番こだわっていて、一番美味しい。」そうだ。

店長さんはさらに語る。
「コオロギの事を知らないと気持ち悪いけど、食べるとかなりの人がイメージ変わるんですよね。最初は怖がる人も、1回食べたらどんどん食べます。あと、3歳くらいの小さい子供は平気で食べましたね。
最近、根も葉もない噂が流れちゃって、変な事言われたりもしましたけど。食べたくなければ食べなくても良い。でも、食べると美味しいです。たくさんある食材の、選択肢の1つとして考えてほしいです。」

この記事を書いている今も、コオロギパウダーを使った黒飴を食べている。見た目はただの黒飴だが、もみじコオロギのアーモンド風味が香る。個人的に黒飴という食べ物があまり得意でないので、素揚げのほうが好きかな。黒飴という食べ物の味に、コオロギ風味がのっている感じ。
味だけが気になる人はこれ食べるだけでもいいかも。でも、素揚げのあの食感が最高だったんだよな~!

コオロギは美味しい。ちゃんと育ててちゃんと調理したコオロギはめちゃくちゃ美味しい。
加熱すれば基本的に毒性は無く、甲殻類アレルギーの人以外には安全だ。プリン体は多いが、レバーと同じくらいなので激ヤバって程ではない。食糧不足とかメタンガス増えすぎ問題の解決策としても注目されているが、そういった事情を抜きにして、美味しいからまた食べたいと思った。
物心ついた頃から、好きな食べ物を聞かれた時は明太子と答えていたが、これからは明太子とコオロギ素揚げと答える。それくらい美味しかった。プリン体には気を付けます。

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きりたんほ
イモリとヤドカリを飼っている。イモリの名前は長久命(ちょうきゅうめい)と力子(かね)。ヤドカリの名前はイオ・エウロパ・カリスト。
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