あはれ日記~その2~

エッセイ

あはれ日記とは

あはれ日記とは,古語の「もののあはれ」のアイデアにインスピレーションを受け,言葉では形容できないが,なんかいいなぁ・・と思った経験をまとめたものである。

第一弾はこちら

あはれ日記 - やいたおにぎり
注:この記事には特定の意見やオチはなく,最終的に「何が言いたい?」となることを先に断っておく。 古語には,「もののあはれ」というアイデアがある。これは,何かを見た時に「何かいいなぁ..しみじみ...」と思う感覚である。上手く言葉に表せない,いやむしろ,言葉に表すべきではない哀愁や雅な感情を表現する美しい日本語表現だと思...

No.1 欲望の三権分立

いきなり自分の画像で大変恐縮だが,私が2歳のころの写真である。

100%信頼できるソースで有名なAV男優のしみけんさんが言っていたが,人間の三大欲望である「性欲」と「食欲」は両立しないそうだ。つまり,三大欲求である「食欲」,「睡眠欲」,「性欲」は同時に実行することができず,一つずつしか実行できないのだ。

その点で,幼少期の自分はそういった人間の真理を超越した行動ができていたことを意味する。食欲を満たしながら,睡眠欲も満たす・・・そして,写真には写ってないが,机の下では・・・//////

 

これは,あはれ・・・・!

 

No.2 側溝に見るアウトロー理論

ある日,道を歩いていると幼児用自転車が豪快に不法投棄されていた。

恐らく直下型ブレンバスターまじヤバッの勢いで側溝に投げ捨てたのであろう,車両前方についていた黄色のパーツが無残にも破損しているのが確認できる。罪のない幼児用自転車に並々ならぬ悪意を持った人物がいたということが何とも言えない気持ちになり,何となく写真を撮っていた。

 

数日後

自転車が陸に上がっていた。おそらく自転車を哀れんだ心優しき誰かが引き上げてくれたのだろう。正直,幼児用自転車が思いっきりドブに捨てられているのを見た時には,世の中には邪悪な人しかいないと少し寂しくなったが,今回のように引き上げてくれる優しい人もいるんだなぁと思えた。まさにあはれ。

 

数日後

チャリがパクられていた。この世に慈悲はない。あはれ。

 

No.3 私たちが暮らす世界はこんなところですよ

内容は以下の通りである。

 

いつも清潔にご利用いただきありがとうございます。このトイレは従業員も使わせていただいております。その際の,ごあいさつは控えさせていただいております。

 

問題は最後の一文,「その際の,ごあいさつは控えさせていただいております。」だ。

このような文言が必要になった経緯を考えると,以前ごあいさつがなかったためにトラブルが起きたと考えるのが妥当であろう。つまり,

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お客様ふぃ~(ジョロロロ)

(店員さんがトイレに入ってくる)

 

店員さんよいしょっと・・・・(ジョロロロ)

お客様・・・・・チラッ(ジョーー)

店員さんふぃ~(ジョロロ)

お客様・・・・・チラッ・・チラッ(ジョロロー)

店員さんふぅーーー(ジョローーーー)

お客様てめぇ!!!!!!!このやろう!!!!!(ジョロロロ)

トラブル発生!

といった具合であろうか。仮にそうだったとしたら,このお客様は以下のようなことを求めていたのだろうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お客様ふぃ~(ジョロロロ)

(店員さんがトイレに入ってくる)

 

店員さんいらっしゃいませぇ!!!!(ジョロロロ)

お客様・・・・!!(ジョロッ!!)

店員さん本日は,キュウリと白菜が大特価でのご提供となっております!!!!(ジョロー)

お客様・・・・・・(ジョロ~)

店員さんまた,鮮魚売り場では,広島県産カキが大変お得となっております!!!(ジョロー)

お客様・・・・・・(チョロチョロ~)

店員さん是非,ご覧下さいませ!!!(チョロチョロ~~)

お客さん・・・・(ニッコリ満足)

 

ということを求めていたのだろうか。我々は窮屈な世界に生きているのだろうか。再来年にはくしゃみの権利がオークションにかけられそうだ。あはれ。

 

No.4 本棚の奥には

余談だが,私は初対面の人に好きな本を聞くようにしている。なぜなら,本というのはその人の嗜好性や価値観を表すことが出来るものだと考えているからだ。これは個人だけではなく,お店についても言える。つまり,どのような本を置いているかでその店の雰囲気が何となくつかめると考えている。それを踏まえて,京都の銭湯の待合室にあった本がこれだ。

 

遊戯王ゼアルZEAL 6

遊戯王ゼアルZEAL 5

遊戯王ゼアルZEAL 5

遊戯王ゼアルZEAL 5

遊戯王ゼアルZEAL 6

 

遊戯王ゼアルZEAL4巻まで読んだが,5巻を読めていなかった人が同時に4人以上いたことによって傷害事件に発展してしまう例は後をたたないが,この銭湯ではその心配はいらない。お客様のことを徹底的に考える素晴らしいホスピタリティだ。やはり京都のおもてなしは一枚上手である。(カードゲームなだけに)あはれ・・!

 

No.5 King of あはれ

最後は,ここ最近で最も「あぁ・・!あはれっ・・!」と感じた瞬間で締めくくりたいと思う。郊外の中型ショッピングモールのゲームコーナにて。

話題の人気商品」と謳われている筐体の中には,数年前のピクサー映画(現在は,話題ではない)の安価な毬(少なくとも,人気商品ではない)が置かれているという即効性パラドックス。しかしこういった悪意のないパラドックスは我々の日常においてはしばしば散見される。しかも,大抵は多少の犠牲が伴うので何とも言えない気持ちにさせるのである。

 

例えば,年に一度会うか会わないかのおばあちゃんが,「OOくんこれ大好きだったよね」と幼少期におそらく好んで食べていたお菓子を毎回くれるような場面である。少なくとも現在はそのお菓子は好きではない(寧ろ嫌いな場合すらある)が,孫を悦ばせるために「大好きだった」という理念の下にお菓子を買いに行ってくれたおばあちゃんを無下にはできまい。こういった主体と客体のすれ違いは何とも言えない感情を想起させる,そうこれこそが・・・あはれ・・なのだ!

 

おわりに

世の中には「あはれ」が溢れていると改めて感じた。現在は気軽に外の「あはれ」を探しにいくことができない状況だが,一方で自分の中に眠る「あはれ」を発見できる絶好の機会でもあると考える。

 

買ったばかりのイヤホンを洗濯してしまったこと・・・

 

紹介してもらった女性に連絡を取ったら3か月の沈黙を守られていること・・・

 

買ったばかりの本がKindle読み放題に追加されたこと・・・・・

 

ムカつくノリのおっさん

 

第三弾につづく・・・

第一弾はこちら

あはれ日記 - やいたおにぎり
注:この記事には特定の意見やオチはなく,最終的に「何が言いたい?」となることを先に断っておく。 古語には,「もののあはれ」というアイデアがある。これは,何かを見た時に「何かいいなぁ..しみじみ...」と思う感覚である。上手く言葉に表せない,いやむしろ,言葉に表すべきではない哀愁や雅な感情を表現する美しい日本語表現だと思...

 

 

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